“ これまでの茶と これからの茶 ”
“ これまでの茶と これからの茶 ”
 
 
 日本人は黒髪。 黒髪が美しい。
 地毛である“ 黒 ”であることが 当たり前の髪色文化が かつて日本にはあった。
 
 歳を重ねて 白くなった髪を 黒く染め、
 枠から外れた者を“ 不良 ”と呼び、
 染めた髪を“ 茶髪(ちゃぱつ) ”と罵った。
 
 
 
 90年代半ば、
 日本の髪色文化が動く。
 
 
 髪を染めることが大きなブームメントとなり、
 挙ってヘアカラーをするようになったのだ。
 
 今思えば 決して洗練されたヘアカラーとは言い難いが、
 ヘアスタイルにそれまでにない【 軽さ・質感・デザイン性 】 を与えた。
 
 気づけば 髪を染める行為を茶髪(ちゃぱつ)と呼ぶコトがなくなり
 市民権をえた“ ブラウン ”は多くの日本人女性に求められ社会に浸透し定着した。
 
 
 
 約20年の月日が経ち、
 今や“ 当たり前 ”になった“ ブラウン ”。
 しかし色染師としてあえて言いたい。
 
 
 “ されど ブラウン ”っと。
 
 
 
 メーカー各社の血の滲むような努力によって
 カラー剤が全く別のモノに思えるほど躍進し、
 大概の色は容易に表現できるようになった現代。
 
 
 今だからこそ もう一度見つめなおしたい・・・。
 
 
 黒髪の奥底に眠る 多くの色を呼び起こし操ることの大事さ。
 人の数だけブラウンが存在し、その人にしか表現できないブラウンの深さ。
 
 
 そして。
 
 髪を染めるコトが当たり前になった現代から
 “ 個性を表現する為の手段のひとつ ”に
 日本のヘアカラーが更にステップアップできるよう
 “ 茶 ”に粛々と向き合っていきたいと思います。
 
 
 
 
 色染師ナカム こと 中村太輔
 
0コメント