“ ニゴリ と クスミ ”


“ ニゴリ と クスミ ”


“ 美 ” を司る ワードのなかに “ ニゴリ と クスミ ” という言葉は
あまり多く語られることはなく、
“ ツヤ や 透明感 ” と対極な関係に位置するため
むしろ忌み嫌われる ことが殆どである。


しかしだ。
本当にそうなのだろうか・・・?
“ ニゴリ と クスミ ”はタダの汚い色の表現しか出来ないのだろうか?



色染師ナカムはこう考える。

ヘアカラーにおける“ ニゴリ と クスミ ”とは、
黒髪に潜む 赤み・オレンジ を 完全に打ち消し、
ツヤ を一切感じさせない“ マット ” な質感を創るコト・・・と。



黒髪本来のもつ 暖かみを 相対する“ 蒼み や 緑み ” で くすませる。
文章で表現することはトテモ簡単なのだが、
“ マット ”な質感のヘアカラーとは それこそ断崖絶壁ギリギリに いつも存在する。

“ ニゴリ と クスミ ”が
少しでも強ければ・・・
少しでも置く時間が長くミスしたら・・・
そのヘアカラーは ただの“ 汚い色 ”に成り下がってしまう。



しかし、
そのギリギリを創れたときの“ マット ”な質感が表現するヘアカラーは、
ツヤ感では表現し得ないファッション性と上質感。
何処か淡く儚い、それでいて確固たる主張をもった独特な魅力がある。






正直。な話。
僕が一番苦手とする分野のカラリングですが、
“ ニゴリ と クスミ ”を操ることで得られる
このマットな質感の魅力を作品ではチャレンジしてみました。



色染師ナカム こと 中村太輔

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