色の話を始める前に。
このブログを読んでいただくみなさんに
“ カラリスト ” という職業について 少しふれたいと思います。
まだ日本ではあまり聞きなれない職業かもしれませんが、
わかりやすく一言でいえば、
“ ヘアカラーの専門家 ”のことです。
美容室の中において、ヘアカラーのみを専門で扱う職業です。
日本における“ カラリストの歴史 ”は21年前に
imaii が初めて誕生させました。
(1993年 他の店はその翌年にスタート)
一方、日本の美容室を見回してみますと、
まだまだ カットやカラーを兼業で仕事をしているところがほとんどです。
しかし、海外のカラリングにおいての先進国では
一流のサロンには 必ずといっていいほど
当たり前のように“ カラリスト ”が存在します。
“ カラリングの専門店 ”があるほどです。
では、何故ヘアカラーの専門家が必要なのでしょうか?
20年近くこの仕事をやっていて気付いた事が幾つかあります。
簡潔に言うと、
“ 同じ美容師であれ、カッターとカラリストは全く違う仕事という事。”
これは断言できます。
人種が違うといっても間違いないでしょう。
感覚やセンスなどと、よく騒がれるこの業界ですが、
・ 空間のなかで立体を形作っていく=カッター
・ 数ある薬剤の中から イメージに近い色を過去の記憶データからはじき出し調合する
=カラリスト
こう考えてみると、使っている“ 脳 ”の場所すら違うとも思えてきます。 (右脳左脳)
そう。
カラリングは 感覚や感性 が優れているだけではできず、
様々な薬剤をはじめとする 化学的な知識と多くの経験を
積み重ねて初めてイメージしたカラーが表現できるものと考えます。
全く違う職業であるこの仕事を あたかも当たり前のように
現状では兼業しています。
よっぽどの天才でないかぎり
20年近く、人の髪の毛を染め続けてきて
ハッキリいえることは、
“ 片手間では良いヘアカラーはできない ”ことです。
日本のヘアカラーの歴史はまだ 20年チョットと言われています。
ヘアカラー=不良みたいな偏見はなくなりましたが、
まだまだ、髪の色を変えているだけ。
60年以上の歴史を持つ海外においてヘアカラーとは、完全に
“ 自分を表現するための一つの手段 ”として確立しています。
あと 5年?10年?もしかしたら15年かかるかもしれませんが、
日本も必ずそのようになれると思っています。
そのために、
品よくて格があり、
でもどこか自分らしい。
そんなヘアカラーを表現するために僕達
“ カラリスト ”の存在があります。
色染師ナカム こと 中村太輔
0コメント